決算期の変更方法
法人の事業年度は、定款により定められた期間が事業年度=会計期間になります。
通常は1年に設定しますが、1年以内の事業年度を設定する事も可能です。
1年を超える決算は税務上認めれませんので、例えば3月決算の法人が
1月決算に変更した場合には変更した事業年度は通常4月~1月の10ヶ月決算になります。
その後は、毎年2月~翌1月の12ヶ月決算となります。
手続きは、とても単純です。
事業年度の変更は定款を変更するだけなので、
臨時株主総会を開催し、事業年度を変更する旨の決議(定款の変更)をします。
事業年度は登記事項ではないので、法務局へ変更登記する必要もありません。
その後は、税務署や県税事務所などに事業年度変更の旨を異動届出書により届出ます。
この届出の期限は特になく、”すみやかに”提出して下さいと規定されます。
なので、少なくとも事業年度末、確定申告書の提出期限までには提出するように私はしています。
※確定申告書を提出しても異動届出がなかったらさすがに税務署等から電話がきます。
この場合に、事業年度を変更したことにより当事業年度が6月以下の事業年度になった場合には、
法人税等の予定納付の必要はありませんので、注意が必要です。
事業年度を変更するには色々なメリットがあります。
日本には3月決算の法人がかなり多いのですが、
取引先の予算の事情等から、3月に多額の売上があがるという会社が少なくありません。
私が見てきた中では、3月に他の通常月の5倍以上の売上があがる会社もありました。
この場合には、決算を締めてみないと利益が予想出来ないという状況に陥る事が多々あります。
私ども税理士としても、会社の利益が予想出来ないと、節税対策も銀行対策も難しいです。
会社の利益を予想して、節税対策をしてみたのものの、蓋を開けてみれば予想した数字とは全然違って
どういう事ですか?と社長が困惑される事も多々あります。
そんな時は事業年度を変更して、比較的予想がたてやすい閑散期を決算期にします。
そうする事で、落ち着いて決算を組む事ができ、節税対策、銀行対策もスムーズに進みます。
ただ何となく3月決算としている方は一度見直して見るのもいいかと思います。
実際には3月決算であることのメリットは何もありませんので。