目次
税務調査の通知を受けた際、「どこまでのデータや資料を提出しなければならないのか」と不安を感じる経営者や経理担当者は多いのではないでしょうか。会計ソフトやクラウド会計の普及により、税務署が求める情報も紙から電子データへと広がっています。
しかし、すべての資料を無条件に提出する必要はあるのか、どこまで応じればいいのかという判断は簡単ではありません。
この記事では、税務調査における提出義務の範囲や、提出に際しての注意点、拒否が可能なケースなどを具体的に解説します。記事を読むことで、調査に備えて必要な準備と判断ができるようになります。
税務調査におけるデータ提出義務の範囲と法的根拠
税務調査では、調査官から会計データや帳簿書類の提出を求められることが一般的です。納税者には法律に基づく協力義務があり、正当な理由なくこれを拒否した場合は罰則が科されることもあります。
ここでは、提出義務の根拠となる法律や、提出範囲、拒否した場合のリスクについて解説します。
税務調査官の「質問検査権」と納税者の協力義務
税務署の職員(調査官)は、国税通則法第74条の2に基づき「質問検査権」という権限を持っています。これにより、納税者に対して帳簿書類やその他の物件(電子データを含む)の提示・提出を求め、質問することが認められています。
この権限に基づき、納税者には調査を受忍する義務があり、合理的な範囲での協力義務が発生します。具体的には、以下のような資料の提出が求められることがあります。
- 総勘定元帳や仕訳帳などの会計帳簿
- 領収書、請求書、契約書
- 銀行口座の入出金明細や通帳
- 会計ソフトで作成した帳簿データや、電子メールで受領した請求書などの電子取引データ
調査がなるべくスムーズに進むように、調査官からの求めに応じて速やかに提出できるよう、資料やデータを前もって準備しておくことが重要です。
特に2024年1月から電子帳簿保存法が改正されたことにより、電子帳簿保存法に沿って電子データで保存している国税関係帳簿や、電子メールで受け取った請求書などの電子取引データは、紙に印刷するのではなく、データのまま提示・提出する必要があります。
提出を拒否した場合のリスク
調査官からの資料提出の求めに対し、正当な理由なく拒んだ場合、以下のような重大なリスクが生じます。
- 罰則の適用
国税通則法第128条に基づき、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性があります 。これは協力義務が法律で定められていることを示す最も重要な点です。 - 青色申告の承認取消
帳簿書類の提示を拒否するなどの行為は、青色申告の承認取消事由に該当する可能性があります。 - 推計課税のリスク
青色申告が取り消されると、税務署が売上や経費を合理的に推計して課税する「推計課税」が行われる可能性があり、納税者にとって不利な税額となることがあります。 - 重加算税のリスク
資料の提出拒否や隠匿が、所得を意図的に隠すための「隠蔽・仮装」行為の一環と判断された場合、本来の税額に加えて35%(無申告の場合は40%)の高い税率の重加算税が課される可能性があります 。 - 調査の厳格化と悪質な事案への発展
非協力的な態度は、何かを隠しているのではないかという疑念を招き、調査がより詳細かつ長期にわたる原因となります。特に悪質な所得隠しなどが疑われる場合は、国税局査察部(マルサ)による強制調査に発展する可能性もゼロではありません 。
これらのリスクを避けるため、提出範囲に疑問がある場合や対応に不安がある場合は、自己判断で拒否せず、速やかに税理士へ相談することが極めて重要です。
「任意調査」と「強制調査」の違い
税務調査には、その手法によって「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。
| 調査の種類 | 特徴 | 提出義務の有無 |
| 任意調査 | 事前通知の上で、納税者の協力を得て行われる一般的な税務調査 | 協力義務(受忍義務)あり。「任意」とはいえ、質問検査権に基づく調査のため、正当な理由なく拒否すれば罰則の対象となる。 |
| 強制調査 | 国税局査察部が裁判所の令状を得て行う、脱税の疑いが濃厚な事案を対象とした調査(査察) | 法的強制力あり。証拠物件の押収なども行われ、拒否は違法となる。 |
一般的な税務調査の多くは「任意調査」です。しかし、「任意」という言葉から「拒否は自由」と誤解してはいけません。法律に基づく協力義務があることを正しく理解し、誠実に対応することが求められます。
税務調査で求められるデータ・資料の具体例
税務調査では、紙の書類だけでなく電子データの提出も求められることが一般的になっています。調査官は、帳簿の整合性や取引の実態を確認するために、さまざまな形式の資料を対象にしています。
ここでは、税務調査で実際に求められることが多いデータや資料の種類について、具体的に紹介します。
会計ソフトのデータや仕訳帳などの電子記録
クラウド型やインストール型の会計ソフトを利用している場合、そのデータそのものが調査対象となることがあります。代表的な資料としては以下のようなものが挙げられます。
- 仕訳帳、総勘定元帳、試算表などの帳簿データ
- 月次推移表や決算報告書の出力ファイル
- 会計システムに取り込まれた領収書・請求書画像
これらのデータは、会計ソフトのバックアップデータのほか、PDFやCSV形式での提出を求められることがあります。国税庁は、2024年から税務調査に関する資料をe-Taxで提出できる仕組みも導入しています。
国税庁が推進する電子帳簿保存法では、一定の要件を満たして保存された電子記録は「正規の帳簿」として法的に認められます。そのため、法令に準拠して電子保存していれば、紙の帳簿がなくてもデータ提出のみで対応可能です。
請求書・領収書・契約書・通帳コピーなどの紙資料
税務調査では、取引の正当性や経費の妥当性を確認するために、各種の紙資料の提出も求められます。代表的なものは以下の通りです。
- 売上・仕入に関する請求書、納品書、注文書
- 経費精算の領収書や出金伝票
- 取引に関連する契約書や覚書
- 銀行口座の通帳コピーや入出金明細
これらの資料は、取引相手や金額、日付、取引内容などが明確に記載されている必要があります。
なお、調査官が原本を確認する場合でも、その場で閲覧するケースが主流です。もし原本を預けることになった際は、後日の返却を確実にするため、必ず「預り証」を受け取り、提出物のコピーを手元に保管しておくことが重要です。
メールやクラウド上の取引記録も調査対象に
調査のデジタル化に伴い、電子メールやクラウドシステム上の記録も提出対象となる場合があります。たとえば、以下のようなデータが該当します。
- 取引先との価格交渉や発注内容を記録したメール
- クラウド請求書システム(例:マネーフォワード、freeeなど)の取引履歴
- 電子契約サービス(例:クラウドサインなど)で締結した契約データ
税務当局は、帳簿上の形式だけでなく、こうした客観的な記録から取引の「実態」を把握しようとします。
ただし、質問検査権の対象は「事業に関するもの」に限定されます。そのため、調査官からメールやクラウドデータの提出を求められた場合でも、調査に関係のないプライベートな情報や、対象期間外のデータまで提出する義務はありません。
どの範囲のデータを提出すべきか不明な場合は、税理士などの専門家に相談し、必要最小限の範囲で対応することが重要です。
提出を求められても協議・保留できるケース

税務調査においては、調査官からの資料提出の要請に対し、必ずしもすべてに応じなければならないわけではありません。法的根拠が不明確であったり、会社の機密情報を含む場合には、「提出の範囲について協議を求めたり、理由の説明を求めることができるケースもあります。
ここでは、具体的な状況と、その理由を解説します。
税務調査の目的に関係のない情報まで求められた場合
税務調査における質問検査権は、国税通則法に基づき「調査について必要があるとき」に行使が認められています。したがって、調査対象となっている課税期間や税目と直接的な関連性が認められない資料の提出を求められた場合には、その必要性について調査官に具体的な説明を求めることができます。
たとえば、以下のようなケースでは、まずその関連性を確認することが重要です。
- 調査対象期間外の帳簿書類(ただし、期間の売上や経費を検証するために必要と判断される場合もある)
- 直接関係のない別部門や、会計上独立している子会社・関連会社の資料
- すでに十分な説明を行った事項に関する、追加の合理的理由なき反復的な資料要求
このような場合には、調査官に対して「調査目的との関係性」を丁寧に確認することが重要です。納税者にも権利があるため、無制限に応じる必要はありません。
社外秘情報や取引先データの保護が必要な場合
税務調査では、売上や原価を算定する根拠となる契約書や価格表など、事業上の重要な秘密情報(営業秘密)の提出を求められることがあります。
以下のような情報については、慎重に対応する必要があります。
- 取引先との価格交渉の経緯がわかる資料や、未公開の技術情報
- 詳細な原価計算資料
- 人事評価や個人の履歴書など、プライバシー性の高い情報
調査官には法律で厳格な守秘義務が課されており、調査で得た情報を外部に漏らすことは固く禁じられています。そのため、調査に必要であると判断されれば、これらの資料も提出の対象となります。
ただし、情報の重要性に鑑み、提出方法について調査官と協議することは可能です。例えば、「該当箇所のみを抜粋して提示する」「マスキング処理を施した上で写しを提出する」「原本は調査官がその場で確認する『閲覧』にとどめる」といった代替案を交渉することが考えられます。
このような対応については、税理士と相談の上、慎重に進めるのが賢明です。
税務署が正式な手続きを経ていないとき
税務調査は、国税通則法に定められた適正な手続きに則って行われる必要があります。
原則として、実地の調査を行う際には、あらかじめ納税者に対し以下の事項が通知されます(国税通則法第74条の9)。
- 調査を開始する日時
- 調査を行う場所
- 調査の目的
- 調査の対象となる税目
- 調査の対象となる期間
- その他、調査の適正かつ円滑な実施に必要な事項
調査官は、調査の際に身分証明書を携帯し、関係者の請求があったときはこれを提示しなければならないと定められています。
したがって、以下のような状況では、まず手続きの適正性を確認する必要があります。
- 調査官が身分証明書を提示しない。
- (例外事由に該当しないにもかかわらず)事前通知が全くない。
- 通知された調査の目的や対象期間が曖昧で、調査範囲が不明確である。
このような場合は、その場で安易に調査に応じるのではなく、「まず法律に定められた手続きをお願いします」と伝え、調査の根拠や範囲を明確にするよう求めることが重要です。
特に、調査の目的や範囲については、後の論点を防ぐためにも最初にしっかり確認しておくべきです。顧問税理士がいる場合は、速やかに連絡を取り、対応を相談するのが最善策です。
電子データを提出するときの注意点
税務調査においては、紙の帳簿だけでなく、電子データの提出も頻繁に求められるようになりました。しかし、電子データには機密情報が多く含まれており、提出方法によっては情報漏えいのリスクや誤解を招く危険性もあります。
ここでは、電子データを安全かつ適切に提出するための注意点を紹介します。
電子データの提出はe-Taxが原則に。USB等にはリスクも
税務調査で求められた電子データは、2024年3月からe-Taxを利用して提出することが可能になりました。これは国税庁が公式に提供するセキュリティが確保された方法であり、今後の主流となると考えられます。
一方で、従来から行われているUSBメモリや一般的なクラウドストレージ(Google Driveなど)を介したデータの提出は、非常に便利ですが、以下のような情報漏えいのリスクが常に伴います。
- ウイルスに感染しているPCやUSBメモリを使用するリスク
- クラウドのアクセス権限の設定ミスにより、第三者が閲覧可能になってしまうリスク
- 納税者側の操作ミスで、範囲外のデータまで共有してしまうリスク
やむを得ずUSB等で提出する場合は、ウイルスチェックやデータ範囲の再確認を徹底するなどの対策が重要です。しかし、可能な限り国税庁が推奨するe-Taxを利用するのが最も安全です。
提出範囲を限定し必要なデータのみ開示する
電子データを提出する際には、調査対象となる期間や取引内容に関係する範囲に限定することが原則です。会計ソフトの全データや過去数年分を丸ごと提出してしまうと、調査の範囲を広げるきっかけとなることもあります。
提出範囲を限定するための工夫としては以下のような方法があります。
- 会計ソフトから特定期間・勘定科目のみをエクスポートする
- 不要なデータを削除した上で提出用データを作成する
- 税理士に依頼して提出資料の整合性を事前にチェックしてもらう
提出前に「どの範囲の情報を求めているのか」を調査官に確認し、必要最小限の開示にとどめることが大切です。
税務署による資料の留置き(預かり)への対応方法
税務調査の現場では、調査官が会計データや資料をその場で確認するだけでなく、原本を税務署に持ち帰って精査する「留置き(預かり)」を求めるケースがあります。
この留置きは法律に基づく手続きですが、納税者として不利益を被らないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。
留置きは任意の手続き。「預り証」を必ず受け取る
任意調査において、調査官が帳簿書類等を留め置く(預かる)ことは、納税者の理解と協力の下で行われる任意の手続きです。納税者の同意なく一方的に資料を持ち出すことは認められていません。
対応時の注意点は以下の通りです。
- 調査官が作成する「預り証」を必ず受け取り、保管する
国税庁の定めにより、調査官は資料を預かる際に、その資料の名称、種類、数量、預かり期間などを記載した「預り証」を作成し、納税者に交付することになっています。この「預り証」が、何を預けたかを証明する公式な記録となります。 - 預ける資料の内容を双方で確認する
どの資料を、どの媒体で預けるのかを調査官と相互に確認し、「預り証」の記載内容と相違ないかを確認しましょう。 - 必要であれば、税理士に同席してもらう
手続きに不安がある場合は、税理士に同席を求め、内容の確認や対応をサポートしてもらうことが有効です。
留置きを断りたい場合は、正当な理由を明確に伝える
留置きは任意の手続きであるため、納税者はその必要性に納得できなければ、拒否や制限を求めることが可能です。その際は、感情的にならず、以下のような法的・業務上の理由を具体的に伝えることが大切です。
- 「個人情報や機密情報が含まれており、情報漏えいの懸念があるため、社内規程上持ち出しは認められない」
- 「取引先との守秘義務契約がある資料が含まれているため、持ち出すことは契約違反となる」
- 「業務で常に使用する書類の原本であり、持ち出されると業務に支障が出るため、この場での閲覧のみで対応してほしい」
不当な要求を避けるためにも、顧問税理士と事前に相談しておくことが有効です。
提出する重要データはコピーを保管し、内容を記録しておく
調査官に資料を提出または留め置かせる場合には、納税者側でもその内容を正確に把握しておくことが極めて重要です。特に電子データの場合、後日の再現が難しいこともあるため、提出前に必ずバックアップを取りましょう。
保管しておくべき記録のポイントは以下の通りです。
- 提出したファイル名とフォルダ構成のリスト
- データの作成日時や最終更新日
- 提出日時と、対応した調査官の氏名
- 交付された「預り証」の控え
後日、「提出された内容に齟齬がある」と指摘された場合でも、これらの記録が残っていれば、客観的な事実に基づいて冷静に対応できます。重要な資料ほど、自社でも詳細な控えを保持するよう心がけましょう。
税務調査でトラブルを避けるための事前準備

税務調査は、慌てて対応すると不要なトラブルを招きかねません。提出資料の不備や社内対応の混乱を防ぐためには、日頃からの事前準備が不可欠です。ここでは、税務調査が始まる前にやっておくべき基本的な対策を3つ紹介します。
提出可能な資料リストを作成して整理しておく
調査官から資料を求められた際にスムーズに対応するためには、提出可能な資料の一覧をあらかじめ準備しておくことが有効です。資料リストを作っておくことで、どこに何があるかをすぐに把握でき、過去のデータ確認にも役立ちます。
主な資料リストの項目例は以下の通りです。
- 会計帳簿(仕訳帳・総勘定元帳など)
- 請求書・領収書・契約書類
- 銀行通帳コピーや入出金明細
- 電子データの保管フォルダ・ファイル名一覧
リストは定期的に更新し、紙資料とデジタルデータの両方をカバーしておくのが理想的です。
社内データの分類とアクセス制限を徹底する
税務調査時にデータをスムーズに提出できるよう、社内のデータ管理体制を見直しておくことも重要です。特に、複数の部署がデータを共有している企業では、情報の所在やアクセス権限が曖昧になっているケースも見受けられます。
対策としては以下のような管理体制が効果的です。
- 会計・税務関連のフォルダを明確に分類し、定位置に保存
- 社外秘資料にはアクセス制限を設定
- 提出履歴や更新記録をログとして残す
情報の管理体制を整えておくことで、調査中の情報漏えいや不要な混乱を未然に防ぐことができます。
顧問税理士と事前に対応範囲を確認する
顧問税理士がいる場合は、税務調査の事前準備段階から関与してもらうことが理想的です。どの範囲まで提出すべきか、どの資料がリスクとなるかを事前に判断しておくことで、調査当日の混乱を最小限に抑えられます。
具体的には以下のような確認を行っておきましょう。
- 調査対象年度における帳簿やデータの整合性チェック
- 提出が適切でない資料の整理と理由づけ
- 調査当日の対応役割(経理担当・税理士・経営者)の明確化
税理士との連携は、税務署との交渉や質問対応の質を高めるうえでも大きな武器になります。
税務調査対応は税理士に同席してもらうのが安心
税務調査は、法律や税制に関する専門的な知識が求められる場面が多く、納税者本人だけで対応するには不安が伴います。税理士の立会いを求めることは、法律で認められた納税者の正当な権利です(国税通則法第74条の9)。税理士が立ち会うことで、調査官とのやり取りが円滑に進み、不必要な指摘や不利益を避けることが可能になります。
ここでは、税理士の立会いによる具体的なメリットを3つ紹介します。
調査官の質問意図を的確に判断し、法的に適切な主張・説明ができる
税務調査での質問は、単純な確認に見えても、税務上の特定の論点(例:「この支出は個人的なものではないか」)を念頭に置いている場合があります。
税理士が同席していれば、質問の背景にある法的な意図を正確に把握し、納税者の代理として、事実に基づいた適切な説明や資料の提示ができます。これにより、誤解に基づく不利益な判断を未然に防ぎます。
質問検査権の範囲に基づき、資料提出の要否を適切に判断できる
調査官から求められた資料について、安易にすべてを提出すると、かえって調査範囲が拡大してしまうことがあります。一方で、正当な理由なく提出を拒むと、罰則の対象となるリスクもあります 。
税理士は、以下のような観点から資料提出の要否をその場で的確に判断します。
- 調査官の要求が、法律で定められた「質問検査権」の範囲内か
- 要求された資料が、調査対象の税目や期間と関連性があるか
- 個人情報保護などの観点から、マスキング(黒塗り)や閲覧のみといった代替案を提示できないか
このように、法令に基づいた専門的な判断を得られることは、調査を適正に進める上で非常に心強いサポートとなります。
やり取りを正確に記録し、後の「言った・言わない」のトラブルを防ぐ
税務調査は長時間にわたることがあり、後日、調査官との間で発言内容の認識に齟齬が生じ、「言った・言わない」のトラブルに発展するケースも少なくありません。
税理士が同席していれば、以下のような対応を通じて、事実に基づき納税者を守ることができます。
- 調査官との重要な質疑応答の内容を正確に記録(メモ)する
- 提出した資料やその際の状況を記録しておく
- 調査終了時に提示される調査結果の内容が、実際のやり取りと相違ないかを確認・照合する
これにより、事実と異なる内容で手続きが進められるリスクを大幅に軽減できます。
まとめ

税務調査でデータ提出を求められた際、どこまで応じるべきか悩む経営者や経理担当者は少なくありません。調査官には国税通則法に基づく質問検査権があるため、正当な範囲での協力は必要ですが、要求にすべて応じる義務はありません。
会計ソフトの全データなど、法律上の提出義務がない範囲のデータ提供を求められることもありますが、これはあくまで任意協力です。調査の目的に無関係な資料や、PC全体のコピーのような広範なデータの提供要求に対しては、提出範囲を限定する交渉や、場合によっては拒否する判断も可能です。
電子データの提出は、情報漏えいや調査範囲が不必要に拡大するリスクも伴います。提出する際は、どの法律に基づく、どの範囲のデータ提供義務なのかを確認し、安易に全データを提供しないことが重要です。紙の資料を提出する場合と同様に、提出資料のコピーを保管し、調査官が持ち帰る際は必ず「預り証」を受け取ることを徹底しましょう。
そして何よりも、税務調査には税理士に立ち会ってもらうことが最善の策です。税理士が同席することで、その場での法的根拠に基づいた的確な判断や、調査官との適切な交渉が可能になり、調査対応の精度が格段に高まります。
税務調査に不安を感じている方は、税務調査対応に特化した「税理士法人 GNs」に相談してみてはいかがでしょうか。経験豊富な税理士が、資料提出の判断から調査官との交渉まで、あなたの事業を守るために全力で支援してくれます。
