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YouTuberでも税務調査の対象になる?収益が出た時の注意点と対策

youtuber 税務調査

目次

YouTubeの収益化は以前よりも身近になり、副業や本業として動画活動を行う個人クリエイターも増えています。再生回数が伸びて広告収益や企業案件などの収入が発生すると嬉しい一方で、「税務調査は来るのか」「確定申告は必要なのか」と不安を感じる方も少なくありません。

実際、YouTubeで得た収益は税務上の所得として扱われるため、一定の条件を満たすと確定申告や経費管理が必要になります。申告を行っていない場合や、経費計上の内容に不自然な点がある場合には、税務署から内容の確認を受ける可能性もあります。

本記事では、YouTuberが税務調査の対象になる理由や、税務署が収益状況を把握する仕組み、調査対象になりやすいケース、経費処理で注意したいポイント、さらに税務リスクを抑えるための具体的な対策までをわかりやすく整理しています。

収益が出始めたばかりの方から、活動が本格化してきた方まで、安心してYouTube活動を続けるために知っておきたい税務の基本を確認できる内容です。

YouTuberも税務調査の対象になる

YouTubeで収益を得ている場合でも、基本的な税務のルールは一般の事業者と同じです。広告収益や企業案件などで収益が発生すれば所得として扱われます。

ここでは、YouTuberが税務調査の対象になる理由や、申告義務との関係について詳しく解説します。

税務調査はすべての事業者が対象

税務調査は、特定の業種だけに行われるものではありません。国税通則法に基づき、個人事業主やフリーランス、会社経営者など、収入を得ているすべての納税者が対象になります。

YouTuberが広告収益や企業案件による報酬などを得ている場合、税務上は活動の内容や規模に応じて事業所得または雑所得として扱われることがありますそのため税務署から見ると、一般的な個人事業と同じように申告内容が確認される対象になります。

税務調査は、申告された所得や経費の計算が適切かどうか、また申告漏れや無申告がないかを確認する目的で行われます。YouTubeというプラットフォームで収益を得ている場合でも、特別な扱いになるわけではありません。

YouTube収益も所得として申告が必要

YouTubeで得た収益は、所得として確定申告の対象になります。

【主な収益の例】

  • YouTube広告収益(Google AdSense)
  • 企業案件やスポンサー収益
  • メンバーシップ収益
  • スーパーチャットなどの投げ銭
  • アフィリエイト収益

副業としてYouTubeを行っている場合でも、一定以上の所得があると確定申告が必要です。会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。なお、この基準は所得税に関するものであり、住民税については別途申告が必要となる場合があります。

申告を怠ると、後から税務署に指摘されて追加の税金や罰則が発生する可能性があります。YouTube収益は銀行口座への入金記録や取引履歴などの形で残るため、後から収益状況が確認されることがあります。

無申告や申告内容の不自然さがあると税務調査の対象になりやすい

税務調査は申告データ等を照合し、申告漏れ・無申告などリスクが高い納税者を重点的に選定しています。

例えば、YouTubeで明らかに収益が発生しているにもかかわらず確定申告が行われていない場合や、申告された所得や経費の内容に不自然な点がある場合には、税務署が申告内容を確認する対象となることがあります。

また、同業者と比べて申告内容が大きく異なる場合にも、状況が確認されることがあります。

税務署は申告情報や各種データなどさまざまな情報をもとに申告内容を整理しています。そのため、収益が出ているにもかかわらず申告が行われていない状態は、特に税務上のリスクが高いといえます。

税務署がYouTuberの収益を把握できる理由

「YouTube収益は海外企業から支払われるから税務署には分からないのでは」と考える人もいます。しかし実際には、税務署はさまざまな方法で収益状況を把握できる仕組みを持っています。

ここでは、税務署がYouTuberの収益を把握できる主な理由を解説します。

電子商取引専門調査チームによる情報収集が行われている

 国税庁によれば、全国の国税局等にはインターネット取引を専門に調査する「電子商取引専門調査チーム」が設置されており、オンラインビジネスの情報収集・分析を専門的に行っています。

このチームでは、YouTubeチャンネルの登録者数や動画再生回数、SNS・ブログ上の投稿内容、アフィリエイト収入などの公開情報を基に推定される所得と確定申告の内容を照合します。

例えば、登録者数や再生回数が多いチャンネルで収益化が推測される場合、申告状況との整合性が確認されることがあります。

申告書や決算書の内容から収益状況が確認される

税務署では、提出された確定申告書や帳簿の内容をもとに、申告書の数字だけでなく、過去の申告内容との比較や、収益と経費のバランスなども確認します。

売上の増減の推移や経費の割合、同じ業種との比較、過去の申告内容との違いなど、様々な面から内容が正当かを見られます。

YouTuberの場合、動画の再生回数やチャンネル規模などから収益活動の状況が推測される場合もあります。申告内容と実際の活動状況に大きな差があれば、税務調査が行われることもあるでしょう。

こうした状況に備えるためにも、収益や経費は帳簿で正確に管理し、内容を説明できる状態にしておくことが重要です。

税務調査の対象になりやすいYouTuberの特徴

YouTuberとして活動していても、すべての人に税務調査が入るわけではありません。国税庁は限られた人員で効率的に調査を行う必要があるため、申告内容に誤りや不足が疑われるケースや税務リスクが高いと判断される納税者を優先的に調査対象としています。

ここでは、税務調査の対象になりやすいYouTuberの特徴を具体的に解説します。

収益があるのに確定申告をしていない

税務調査の対象になりやすいケースの一つが、収益が発生しているにもかかわらず確定申告を行っていない状態です。

YouTubeを運営していると、広告収益をはじめ、スーパーチャットやメンバーシップによる収益、企業案件やタイアップによる報酬、さらにアフィリエイト収益など、さまざまな形で収益が発生することがあります。

これらはすべて所得として扱われるため、所得税の基礎控除額を超える課税所得がある場合には確定申告が必要です。

無申告を続けると税務調査の対象になるリスクが高まります。また、未申告分の税金に加えて加算税や延滞税が課される場合があります。確定申告が必要な状況にあるかを改めて確認し、必要に応じて速やかに申告しましょう。

収益に対して経費の割合が不自然に高い

先述のとおり、税務署は売上と経費のバランスも確認しています。例えば次のようなケースは注意が必要です。

  • 収益が100万円なのに経費が90万円以上ある
  • 高額な機材や設備を頻繁に経費にしている
  • 私的な支出を事業経費として計上している

YouTuberの場合、カメラやPC、編集ソフトなどの機材費が発生するため、多少経費が多いくらいでは問題になりません。しかし、収益と比較して経費の割合が極端に高い場合は不自然と判断される可能性があります。

税務調査では、経費として計上している支出が本当に事業に必要なものなのか確認されます。経費の内容を説明できるよう、証拠書類を揃えておくようにしましょう。

経費の証拠が保存されていない

経費計上した支出については、帳簿や領収書などの書類を保存する必要があります。一般的に帳簿は7年間、領収書などの証憑書類は原則5年間の保存が求められます。

税務調査ではこれらの証拠書類の提出を求められるため、領収書や取引履歴などを確実に保管し、支出内容を説明できるようにしておくことが大切です。

証拠書類がない支出は経費として認められにくくなるため、領収書や取引記録の保存を徹底しましょう。

税務調査で確認されやすいYouTuberの経費

動画制作には機材やソフト、通信費などさまざまな支出が発生するため、経費として計上できるものも多くあります。しかし、私的な支出との区別があいまいになりやすい費用も少なくありません。

ここでは、税務調査で確認されやすいYouTuberの経費について解説します。

動画制作に使用する機材やソフトの経費計上

動画制作に必要な機材・ソフトは、所得税法上「必要経費」に該当します。収益を得るために直接要した費用として経費計上が可能です。

一方で、その支出に私的利用分が含まれる場合は、事業用と私用を区分し、業務に必要だった分のみを経費とします。

例えば、撮影用のパソコンやカメラなどの機器は、取得価額が10万円未満であれば購入した年に全額を必要経費にできますが、10万円以上の場合は原則として減価償却資産としなければなりません。

購入時には取得価格や使用目的に応じて適切な処理を行い、帳簿や領収書で事業目的を明確にしておくことが重要です。

通信費や自宅作業スペースなど私用と事業が混在しやすい費用

自宅で撮影や編集を行う場合、家賃や光熱費、通信費などが業務用と私用に混在しやすくなります。特に次のような費用は要注意です。

  • インターネット回線やスマートフォン料金:業務に使用した部分のみを合理的な基準で按分して経費計上します
  • 電気代等の光熱費:上記と同様に業務使用分だけを按分します
  • 自宅家賃:事業用スペースの面積割合等を基準に按分できますが、生計を一にする親族に支払う家賃は必要経費にできません

このように家事関連費は明確に区分し、合理的な方法で事業割合を算出する必要があります。

企画で購入した商品や高額機材の資産計上

商品レビュー動画のために購入した商品や、企画動画で使用する撮影用の小道具、撮影に使用する機材などは、動画制作のために必要なものとして経費計上することが可能です。

ただし、高性能なカメラや高額な動画編集用パソコンなどは、税務上は資産として扱われることがあるため注意しなければなりません。耐用年数に応じて、複数年に分けて費用化する処理が必要です。

もちろん、私的利用を目的として購入したものは経費には含められません。確実に動画企画との関連性を説明できるよう、支出の目的や使用状況を整理しておくことが重要です。

税務調査の結果で発生する可能性のあるペナルティ

YouTuberとして収益が増えてきた場合、税務知識がないまま申告を行うとミスが発生することもあります。税務調査の結果、無申告や申告漏れ、納付遅れなどがあるとペナルティが課されます。

ここでは、税務調査の結果で発生する代表的なペナルティについて解説します。

無申告の場合に課される無申告加算税

確定申告が必要であるにもかかわらず申告をしていなかった場合、無申告加算税が課されます。無申告加算税は、本来納めるべき税金とは別に発生する追加の税金で、申告を行わなかったことに対するペナルティです。

【無申告加算税の課税率】

  • 税務署から調査通知を受けた後・税務調査で発覚した場合
    納付税額のうち50万円までの部分が15%、50万円超300万円以下の部分が20%、300万円超の部分が30%となります。
  • 税務署から指摘を受ける前に自主的に申告した場合
    納付税額の5%となります。

収益があるにもかかわらず申告をしていないことに気付いた場合は、できるだけ早く申告を行うことが大切です。

申告漏れがあった場合に課される過少申告加算税

確定申告を行っていても、申告した所得が実際より少なかった場合には、過少申告加算税が課されます。これは、申告した内容と実際の所得との間に差があった場合に発生する追加のペナルティです。

収益の一部を申告していなかったり、経費として認められない支出を計上していた場合、あるいは売上の計算ミスによって所得が少なく申告されていた場合などに課されます。

【過少申告加算税の課税率】

  • 税務署から事前通知後に自主的に修正申告した場合
    新たに納める税額の5%(一定額超過分は10%)が課されます。
  • 税務署調査後に申告を訂正した場合
    新たに納める税額の10%(一定額超過分は15%)となります。
  • 税務署から調査連絡を受ける前に自主的に申告した場合
    過少申告加算税はかかりません。

納付が遅れた場合に発生する延滞税

延滞税は、税金を納付すべき期限の翌日から納付日までの日数に応じて自動的に課され、納付が遅れるほど負担が大きくなる仕組みです。

確定申告をした後に税金を支払っていない場合や、修正申告などによって追加の税金が発生したにもかかわらず納付が遅れている場合などには、延滞税が発生します。

延滞税は時間の経過とともに増えていくため、税金は期限内に納付することが一番の対策です。YouTuberとして収益が増えてきた場合には、確定申告だけでなく税金の支払いにも備えて資金を確保しておくようにしましょう。

税務調査のリスクを減らすための対策

どれだけ慎重に対応していても、税務調査のリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、日頃から適切な税務管理を行っていれば調査の対象になる可能性を下げることや、調査が行われても問題なく対応できる状態を作ることは可能です。

ここでは、税務調査のリスクを減らすためにYouTuberが実践しておきたい基本的な対策を紹介します。

収益が発生した段階で確定申告の必要性を確認する

YouTubeで収益が出始めたら、まず確認したいのが確定申告が必要かどうかです。

収益の状況によって申告義務が発生するため、自分の状況を把握しておくことが重要です。代表的な例を整理すると次のようになります。

状況申告の目安
会社員で副業YouTuber給与所得者が副業で得た所得(給与以外の所得)の合計が年間20万円を超える場合には、確定申告が必要です
個人事業(専業YouTuber)として活動事業所得(売上-経費)の合計が基礎控除額(原則95万円)を超える場合には、確定申告が必要です。
学生YouTuber学生の場合でもアルバイト収入等の給与所得以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得が給与所得以外に該当する場合には、個人事業同様に基礎控除超過の基準が適用されます。

収益が小さいうちは申告義務がない場合もありますが、収益が増えると申告が必要になる可能性が高くなります。

早い段階で税務ルールを理解しておくことで、無申告や申告漏れのリスクを防ぐことができます。

レシートや領収書を整理して経費の根拠を残す

経費として計上した支出には、レシートや領収書等根拠となる証拠が必要です。

証拠書類はレシートや領収書のほか、クレジットカードの利用明細や銀行口座の取引履歴、購入した機材の注文履歴、ソフトウェアの契約情報などがあります。これらの資料を残しておくことで、支出の内容や目的を後から確認しやすくなります。

YouTuberの場合、ネットショップで機材を購入するケースも多いため、購入履歴の画面やメールで届く注文確認の内容なども保存しておくと安心です。

税務調査では数年前の支出について説明を求められることもあります。証拠書類は、確定申告書提出期限の翌日から原則5年間の保存が義務付けられています。証拠書類を廃棄せず整理・保存しておくことで、税務調査で経費の妥当性を説明しやすくなります。

収益と経費を帳簿で管理し説明できる状態を作る

税務管理で重要なのは、収益と経費を帳簿で整理して管理することです。帳簿とは、売上や経費などの取引内容を記録する事業の記録帳のようなもので、収支の状況を把握するための基本的な資料になります。

YouTuberの場合は、YouTube広告収益や企業案件の報酬、アフィリエイト収益といった収入のほか、機材の購入費やソフトウェアの利用料、通信費などの支出を整理して記録しておくと管理しやすくなります。

帳簿の管理方法としては、会計ソフトを利用して収支を記録する方法や、スプレッドシートなどを使って自分で収支管理を行う方法があります。また、税理士に依頼して帳簿管理や申告手続きをサポートしてもらう方法もあります。

帳簿を正確に記帳・整理することで、税務調査の際に収益や経費の状況を適切に説明できます。日々の取引を漏れなく記録し、帳簿と証憑書類を適切に保存することが重要です。

収益が増えてきたら税理士など専門家への相談も有効

YouTubeでの活動が本格化し収益が増大すると、税務手続きが煩雑化しやすくなります。最初は広告収益だけだったとしても、企業案件やアフィリエイト、グッズ販売など収入源が増えることがあります。

こうした状況では、税理士などの専門家に相談することも有効な選択肢です。

YouTube収益は複数の収入源があり税務処理が複雑になりやすい

YouTuberの収益は、広告収入だけで構成されているとは限りません。活動の幅が広がるにつれて収入源も増えるため、税務処理が複雑になりやすいとされています。

各収益は、それぞれ入金方法や管理方法が異なるため、収益の種類ごとに整理して帳簿に記録し、収入の流れを把握できる状態にしておくことが大切です。

収益源が増えるほど税務処理も複雑になります。YouTube活動を継続していく場合は、早い段階から収入管理の方法を整えておくことで、確定申告の作業をスムーズに進めやすくなります。

税理士に相談すると税務調査への備えがしやすくなる

税理士に相談することで、税務調査への備えを整えやすくなります。税理士は税務の専門家であり、確定申告の内容チェックや経費計上の判断、帳簿管理の方法に関するアドバイスなど、税務に関するさまざまなサポートを受けることができます

税務調査が行われた際には、税理士(税務代理人)が納税者に代わって調査に対応できます。

税理士に申告書類を事前にチェックしてもらうことで記載漏れや誤りを防ぎ、追加課税のリスクを低減できます。

収益増大に備えて税務管理の体制を整える

YouTube活動が成長すると、収益規模も大きくなる可能性があります。税務管理を後回しにすると負担が大きくなることも考えられます。

そのため、早い段階から税務管理の体制を整えておくことが重要です。

【管理体制の例】

  • 事業用の銀行口座を分ける
  • 会計ソフトで収支管理を行う
  • 定期的に帳簿を整理する
  • 必要に応じて税理士へ相談する

また、個人事業者では基準期間(前々年度)の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務が生じます。日頃から売上や経費を正確に把握し、必要に応じて簡易課税制度選択届出書などを提出する準備も検討しましょう。

もし、どこに相談すればいいのかとお悩みの方は、「税理士法人GNs」までお問い合わせください。YouTuberの活動について詳しい知識を持った税理士が対応いたします。

まとめ

YouTuberとして収益を得ている場合、税務上は一般の個人事業主と同様に扱われ、確定申告や適切な経費管理が求められます。

広告収益や企業案件、投げ銭など多様な収益はすべて所得の対象となり、無申告や不自然な経費計上があると税務調査の対象となる可能性が高まります。特に、収益があるにもかかわらず申告をしていない場合や、収益と経費のバランスに違和感がある場合は注意が必要です。

重要なのは、収益が発生した段階から帳簿を整え、領収書や取引記録などの証拠を継続的に保存し、内容を説明できる状態を維持することです。日々の管理を徹底することで、税務調査への不安を抑えながら安心して活動を続けやすくなります。

また、収益の拡大に伴い税務処理が複雑になるケースも多いため、早い段階で専門家のサポートを検討することも有効です。

もし、確定申告や経費の判断、税務調査に不安がある場合は、「税理士法人GNs」へご相談ください。税務のプロである税理士と共に、状況に合った対応方法を整理していきましょう。